Second Life の衰退から考える今後のバーチャルワールドビジネス

なぜSecond Life(以下SL)はキャズムを越えられなかったのか?
・SLの世界で稼げるのは3DCGクリエイターやスクリプトを用意できるITエンジニア
・ユーザーはミドル、ハイスペックなPCが必要=敷居が高い
・一般の企業にとっては広報・宣伝ぐらいにしか使えない。それも資金に余裕のある大企業に限られる。中小企業や個人事業者がSLの世界に自社スペースを構築するメリットはほとんどゼロに等しい
・世界を構築する3Dアイテムはユーザーが勝手に作ってくれる。それは逆に言えば、著作権に抵触する内容のコンテンツでもユーザー側が自由に作れてしまうということでもあった。

参考
http://secondlife.com/

日本の3Dバーチャルワールド
・SLに相当しそうな日本のバーチャルワールドはmeet-me。2Dの世界ならアメーバピグなど。それらに共通するのがほぼ同一のビジネスモデルということ。仮想世界にミニゲームができる空間を作ってアバターなどの仮想アイテムで儲けるのが基本。
アメーバピグはブログ(アメブロ)などとの連携がありソーシャル性が高い
・meet-metはリアルな自分をゲームの世界に投影するというより、完全にバーチャルな世界でバーチャルなライフを楽しむという感じで、SLにコンセプトは近いが、ユーザーがオリジナルのコンテンツなどは作れないので自由度は低い。

参考
Meet-Mehttp://www.meet-me.jp/
アメーバピグhttp://pigg.ameba.jp/

今後のバーチャルワールドビジネスのあり方
・SLは完全にバーチャルな世界を楽しむのがコンセプトにあるので、逆にリアルとの結びつきが弱くなっている。ソーシャル性の低さをカバーしなければならない。

3Dバーチャルモール構想
・3Dバーチャルモール…楽天Amazonがまだ開拓しきれていない分野。現実での買い物と同等か、それ以上の楽しみや付加価値をネットショッピングで可能にする。運営はサーバーとバーチャル世界のインフラを用意するだけ。
・バーチャルワールドとネットショップをダイレクトにリンクさせる。3Dバーチャルモールは、ミドルレンジの消費者のPCスペックが向上しつつある今だからこそビジネスとして成立する。
コンセプト
・今までのネットショップにはない新しいお買い物体験を全てのユーザーに提供する。
・従来のネットショップは商品や画像、レビューがただ単に並べられているだけでしたが、3Dバーチャルモールでは、アバター店員が店の商品をテキストチャット、ボイスチャットビデオチャットなどでリアルタイムに説明することも可能になります。商品を並べておくだけでもよいし、バーチャルモールで実際に接客販売するといったことも可能になります。

ビジネスモデル(収益構造)
楽天Amazonマーケットプレイスのように個人や企業から出店手数料を得る
・個人向けにはマイホーム。土地の取得手数料。
・服や乗り物、ゲームなど3Dアイテムの販売。

EC(電子商取引)の市場規模
・日本のEC市場規模は140兆円(経産省が調査結果を公開)。これはアメリカの1.5倍。
・コンシューマにおいては、日本の2010年のBtoC市場規模は約6兆円前後。2013年には10兆円を越えるという試算もあり、来年、再来年と右肩上がりに増加していくのは確実です。
EC市場規模:http://www.fin-bt.co.jp/comment336.htm

創出される雇用(必要な人材)
プログラマー、ネットワークエンジニア、2D・3DCGデザイナー、システム開発、テクニカルサポートなど主にIT系職種。

キーワードはクラウドソーシャルネットワーク、リアルタイム(ライブ)